★☆★★☆★ 8月21日の 『キノコレ』 ★☆★★☆★
「キノコレ」は、毎月・第1&第3水曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。
今週は、紀伊國屋書店富山店 奥野晃英さん からオススメの本&フェアをご紹介いただきます。
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『三体』
本日ご紹介する書籍は、中国発の本格SF小説、劉慈欣作『三体』でございます。
作者の劉慈欣氏は、1963年生まれの56歳、中国山西省のご出身。
本作は2015年に翻訳書として、またアジア人作家の作品として初めて
ファンタジー・SF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞しています。
過去のヒューゴー賞受賞者には、
『ゲド戦記』シリーズのル=グウィン、
『2001年宇宙の旅』のアーサー・C・クラーク、
そして『ハリー・ポッター』シリーズのJ・K・ローリング
と錚々たる人物が名を連ねている事を鑑みれば、
この『三体』と言う作品の凄さがお分かり頂けるかと思います。
時は1960年代中国。
才能溢れる若き女性科学者、イェ・ウェンジェは、
当時吹き荒れた文化大革命により
目の前で物理学者の父を惨殺されます。
人類への失意と絶望を抱えた中、
彼女は巨大なパラボナアンテナを持つ
謎めいた軍事基地へとスカウトされるのですが、
そこでは人類の運命を左右するあるプロジェクトが極秘裏に進行していました。
時は移り、数十年後の現代。
ナノテクノロジーの研究者、ワン・ミャオは
ある会議に召集され、そこで世界的な科学者たちが次々に自殺する
という事実を告げられます。
-物理学は存在しない。
-科学を殺す?だれが?
さらに、今までの偉大な科学者たちが積み上げた
「科学」そのものを否定するような実験結果が世界で観測されている
という事実を突きつけられます。
裏に見え隠れする謎の学術団体「科学フロンティア」への潜入捜査を引き受けた
ワンを襲う科学的にはありえない怪現象。
そして、彼は出会うのです。
三つの太陽を持つ地球とは全く異なる星を舞台にした、VRゲーム「三体」に。
-文明#137は極寒の中で崩壊しました。
-文明の種子はまだ残っています。
それはいつかふたたび発芽し、「三体」の予測不能の世界で育ち始めるでしょう。
またのログインをお待ちしております。
繰り返す仮説と失敗と滅亡のゲームの中に隠された真実は何なのでしょうか。
そして、ミクロからマクロまで網羅する
この物語と人類の結末はどうなってしまうのでしょうか。
これから始まる秋の夜長。
その星空を見上げると少しヒンヤリするようになるかもしれない、
新時代SFの傑作『三体』は、当店エスカレーター前で展開しております。
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<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>
ユキコレ・キノコレフェア
続きまして、紀伊國屋書店富山店でこれから行うフェアの紹介です。
紀伊国屋書店では、9月初旬より
今までのユキコレ・キノコレで紹介させて頂いた書籍から
ピックアップしたものを一堂に集めたフェアを
Aカウンター前で展開する予定です。
本当にたくさんの本を紹介させて頂きましてありがたい限りです。
ただ今、鋭意選定中でございますので、皆様是非ご期待下さい!
皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
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紀伊国屋書店富山店
住所: 富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日: 8月28日(水)
HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/
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