★☆★★☆★ 9月18日の 『キノコレ』 ★☆★★☆★
「キノコレ」は、毎月・第1&第3水曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。
今週は、紀伊國屋書店富山店 奥野晃英さん からオススメの本&フェアをご紹介いただきます。
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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
本日ご紹介する書籍は、ブレイディみかこさんのノンフィクション作品
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』です。
著者のブレイディさんは、英国在住のコラムニストで、保育士の資格も持っていらっしゃいます。
保育士として関わったイギリス国内「最悪の水準」にある託児所での経験から執筆された
『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』は、
イギリスを覆う分断を軽妙に、それ以上に鋭く切り取ったドキュメント作品として高い評価を受けています。
本作では、ブレイディさんとその息子さんが通うイギリスの学校での出来事が数多く語られますが、
イギリスの学校と言ってパッと思いつくのは「パブリックスクール」ではないでしょうか?
長い伝統と格式、厳かな雰囲気、寄宿舎。
しかし、息子さんが通い始めた学校は、
-殺伐とした英国社会を反映するリアルな学校だった。
-息子は元・底辺中学校に入学した。
人種差別上等の美少年同級生。
ブラックな笑いを提供してくれるクリスマスラップの歌声。
あからさまに階級が見えてしまう水泳大会など。
母子が出会う事全てが、驚きに満ちた学校生活です。
そんな中で、正しさに悩み、心無い言葉に悩み、格差に悩みながらも、
ブレイディさんと息子さんは、何とか笑える「ベター」を探して奮闘します。
作中で息子さんはブレイディさんを「母ちゃん」と呼び、
悩みを二人で、時にアイルランド人のお父さんも一緒に三人で、語り合います。
その内容も差別であったり、格差であったり深いところを突いているのですが、
何よりその会話の場面が本当に生き生きとして、読んでいて爽やかな気分になります。
そして、親御さんが読んだらお子さんに、お子さんが読んだら親御さんに読んで貰いたいです。
その感想の違いがきっと社会の問題をほんの少し意識するきっかけになると、私は思います。
人によって違う捉え方が出来るノンフィクション作品『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、
本作文学コーナーエンド台で展開しております。ぜひご覧ください。
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<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>
続きまして、紀伊國屋書店富山店で展開中の2つのフェアの紹介です。
一つ目は、毎年ご好評を頂いている「化石・鉱物フェア」です。
アンモナイトなど古生物の化石、水晶のような原石等々、今年もたくさん取り揃えております。
ぜひ実物を手に取って、ご覧ください。
二つ目は、春にご好評を頂いたドン・ヒラノのブックカバーフェアが読書の秋に帰ってまいりました。
和模様や動物の可愛らしい刺繍が特徴の布製ブックカバーです。新作も入荷しております。
◆ 「化石・鉱物フェア」 〜9/23(日)
◆ 「ドン・ヒラノブックカバーフェア」 〜10/10(木)
※いずれも、店内中央イベントコーナーで開催中!
ユキコレ・キノコレフェア
また、紀伊国屋書店では、ユキコレとキノコレで紹介された書籍を集めたフェアを開催中です。
過去のラジオで紹介致しましたオススメの本を集めております。
紹介した本が気になる方は、ぜひチェックしてみてください!
9/30(月)まで店内中央イベントコーナーで開催中です。
皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
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紀伊国屋書店富山店
住所: 富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
店休日: 9月は無し
HP http://www.kinokuniya.co.jp/store/Toyama-Store/
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